アスペルガーグレーゾーンの私が海外留学してみた感想
こんにちは。
発達界隈でちょいちょい話題になる、「発達障害者は海外のほうが生きやすいんじゃないか」説。
本当なのかどうかいろんな要素により左右されると思いますが、
数年前に交換留学に行った私が実際に感じたことを書いてみようと思います。
ちなみに発達障害者が海外のほうが生きやすいんじゃないか説には、一般的に
こんな理由があるのかなーと思います。
【発達障害者が海外で生きやすい?理由】
①空気を読むことを強要されない。日本に比べ率直なコミュニケーションを好む国が多い。
②全体的に日本より大雑把な人が多く、ADHDを持つ人が適合しやすい。
③多様性に耐性があり、マイノリティへの理解がある。
④発達障害への支援が進んでいる。
実際のところどうなんでしょうね。
とりあえず私個人が感じたことを、順を追って書いていこうと思います。
発達障害者は海外の方が生きやすいのか?
1.空気を読むことを強要されない。日本に比べ率直なコミュニケーションを好む国が多い
うーん。個人的には思ったよりみんな空気読むなあって印象です。
一番意外だったのはアメリカ人(失礼)。あまり社交辞令を言わない印象があったのですが、めちゃくちゃそういうところ気を遣ってきます、彼ら。失礼にあたることはめったに言いません。(私は何度か親しくない人にはタブーとされている話(政治や宗教の話)を世界史が好きで振ってしまったことがあり、しまった~。。。。。状態でした。)そこはあまり日本と変わらない気がします。
ただ、違うと思ったのは、回りくどい言い方をしないところでしょうか。
やってほしいことはこれやって、いやなことはいや、いいものはいい、と
はっきり言ってくれるので、とても助かりました。
まとめると、他人が嫌がることは察してくれる、そもそも口に出さない。
けど、伝えるべきことははっきりと伝える人が多いように感じました。
はっきり度合いは、南米の人やフランス人が特に強かったです。ラテン系ですね。
2.全体的に日本より大雑把な人が多く、ADHDを持つ人が適合しやすい。
日本人より大雑把な人が多いのは確かだと思いますが、程度が結構違う気が。
さっきも出てきた南米出身の人たちなんかはめちゃくちゃ大雑把で、時間間隔がゆるくて親近感を持ちました。ここで具体的なエピソードを紹介したいと思います。
・一緒に遊ぶ約束をし、時間になったのに集合場所に来ないので寮の部屋の前まで迎えに行くとまったく準備をしていない。それどころか全然あせらず、なぞにチョコレートを勧めてくる。
・バスで見せると乗車無料になるカードを頻繁に部屋に忘れる。
そして、誕生日なので見逃してくださいとか運転手に言って、愛嬌でごまかす。
・掃除をしなさすぎて自室にハエを沸かせる。
・マシュマロがかびている。 ...etc
なんかもう、ADHDの方を見ているかのようでした。そして、わたしもちょっと傾向があるのでめっちゃ共感しました。
日本のADHDの方は南米に行ったらごく普通の人になる気がします。笑
ちなみにほかの国はどうかというと。
様々な留学生と話しましたが、バスの中でいきなりリンゴをかじりだすなど、
日本人より自由な方が多かったです。笑
③多様性に耐性があり、マイノリティへの理解がある。
うーーん。これこそ国によって左右されそうなので、一概には言えないのですが。
少なくとも私が留学したところは「移民ウェルカム!」な国だったので、
マイノリティに非常に理解があるように思いました。(大学でほぼ唯一の日本人状態でしたが、とてもよくしてもらいました。)
ただ、この頃は自分が発達障害かどうか検査もしたことがなかったので
発達障害のことをカミングアウトするような機会もなく、
発達障害への理解がどのくらいあるのか?という疑問までは確かめられないまま留学を終えました....。
唯一「発達障害かもしれない」と相談した友人は、落ち着いて受け止めてくれましたが。
4.発達障害への支援が進んでいる。
これも国によってまちまちそうですね。
発達障害への支援が進んでいる国として、アメリカが取り上げられることが多いですが...。
発達かどうかに関係なく、「得意」を伸ばそうとする傾向は強そうですけれど。
ここまでの結論として。
環境的には海外の方が生きやすそう!な感じはありますね~。
※ただし※
海外へ行くことは大きな環境の変化が伴います。
全く知らない新しい土地へ行って暮らし始めるのは日本でも大変なこと。
言語が慣習が異なる場所だったらその大変さもいっそう大きくなります。
よく、海外に行けば変わるよ~!と無責任に移住を進めてくるアフィリエイトサイト
が信用ならないのと同じように、海外に行ったら救われるとか、そういうことはなく、
今までの生活の延長線にあるのが海外での生活なんだなあ、というのが私の留学の感想でした。留学中の方が水が合うな~って感覚はあったけれど、留学したらあれ!?めっちゃ適応できた~!などという魔法があるわけでもないので、そこそこ努力もしました。
まあ、ここまでいろいろ考えてきましたが、
今日本で障害と精神疾患を持ちながら生きている私。
もし24年前に留学先の国に生まれ、同じ障害と同じ精神疾患を持ちながらネイティブのひととして生きるという人生があったとするなら、そこ生まれた方が生きやすかっただろうな~という結論に至りました。
ただ、移住をするとなるとそう簡単に比較できなさそうですね。
おわりっ。