脳内世界

ASDと双極と内省。

双極性障害を持つ人と物件選び(一人暮らし・二十代後半・女)

双極性障害を持つ二十代女が、物件譲れない条件について書いてみました。めんどくさい人はこの前置きを飛ばして<物件探し譲れない条件>から読んでください※

 次に住む物件を決めてきた。

今はきょうだいと同居しているのだけれど、いろいろあって別に住むことになったのだ。隠すような理由ではないのだが、個人を特定されたら面倒なのでここでは伏せておく。私は双極性障害がある二十代後半の女で、今は休職してリワークに通っている。回復したような、回復していないような、そんな微妙な感じだ。そんな微妙な感じにも関わらず一人暮らしをして大丈夫なのか、という不安は常にある。けれど、わけあって実家に帰るという選択肢はないし、きょうだいとこれ以上一緒に住むことはできなくなってしまった。なので、どうせ一人で暮らすなら自分にとって最高に快適な家に住もうと思ったのだ。 改めて、快適ってなんだろう?

gooの辞書によると、

快適[名・形動]心身に不快に感じられるところがなく気持ちがいいこと。ぐあいがよくてこころよいこと。また、そのさま。「快適な生活」「快適な一日を過ごす」

ということらしい。

要するに不快を取り除けば快適ということなので、どうしても許せない、不快なことを考えて、それを反転させたものを絶対に譲れない条件として探すことにした。

私個人が今までの引っ越し経験や双極性障害のことを踏まえて決めた譲れない条件は次の三つだ。

<物件探し譲れない条件>

①日当たり(北向き以外、可能なら角部屋)

②周辺環境(大通り沿いではない、そこに住んでいる人の雰囲気がなんとなく自分に合う、周囲の道路や歩道の幅が広い)

③間取り(1LDKまたは2DK)

①日当たり(北向き以外、可能なら角部屋)

これは自分の健康を考えたときに、譲れないなと考えた条件だ。

双極性障害や鬱を持っている人は、たぶん主治医に口酸っぱく日光を浴びろ、日光を浴びろと言われていると思う。実際日照時間が少ない国に鬱の人が多いって言うし、体内時計を調整するという意味でもなるべく日光を浴びたほうがいいだろう。洗濯物も乾きやすいしおひさまは大事。

それから、以前北向きの部屋に住んでいた友人に、「ジメジメしていると思ったらテラリウムの瓶底に藻が生えていた」「カビっぽくて体調を崩して四か月程度で引っ越した」という話を聞いたので、それ以来どんなに安くても北向き、またはそれに準ずる方角(北東とか北西とか)は選ぶのはやめよう、と決めている。

ネットで物件を調べているときに出てくる安くて綺麗で設備もしっかりしている物件、北向きである確率が高いので、きちんと確認したほうがいい。

よっぽど健康優良児で日当たりとか全然気にしないよ~とか、出張多いからほぼ家に帰らないよ~みたいな人以外は北向きはお勧めしない。

②周辺環境(大通り沿いではない、そこに住んでいる人の雰囲気がなんとなく自分に合う、周囲の道路や歩道の幅が広い等)

これはわりかし私の好みが反映されている。新卒で一人暮らしした経験と、きょうだいと一緒に二人暮らしした経験から考えた条件だ。

新卒で一人暮らししていた頃、駅から徒歩30秒くらいの大通り沿いの物件に住んでいた。めちゃくちゃ便利で、出かけるのにおっくうになることもほぼなく、めちゃくちゃありがたかったのだけれど……駅から近いぶん週末の夜になると酔っ払ったおじさんや若者の奇声が聞こえてきてしんどかった。それから、きょうだいと二人暮らししていた頃、同じく大通り沿いの2DKアパートに住んでいたのだか、同じく週末に大通りを田舎のヤンキーがバイクで通っていってめちゃくちゃうるさかった。後、軽量鉄骨の家のせいか車が通るたびに地震みたいに家が揺れて、それが地味にストレスだった。(これは家のタイプの問題でもある。同じ軽量鉄骨でも新しければそこまで揺れたりしないという話も聞いた)

そして、新卒で住んでいた地域も、きょうだいと住んでいた地域も、道路(特に歩道)が狭いわりに自転車がたくさん通るところで、ぶつかりそうになることが何度もあった。それだけ?と言われればそうかもしれないが、不安が強い私にとって、物件のある地域がどんな場所なのか、どんな雰囲気なのかはすごく大切な条件の一つだ。細かいストレスが集まって大きいストレスになるので、細かいストレスを排除できるなら排除しておきたい。それに、家の内装は最悪可能な限りDIYしたりお気に入りの家具を置いて好きに変えられるものの、周辺環境は変えることができない。人によっては駅近が好みだったり、スーパーやコンビニが近くにあったほうがよかったり、いろいろあると思うけど、周辺環境って結構見落としがちなので気をつけたほうがいいかもしれない。

③間取り(1LDKまたは2DK)

これは今回の引っ越しで一番変えたい部分、というか引っ越しの目的の一つだった。

コロナによるテレワークの影響で、私のような切り替えの苦手な人間は目的ごとに区切られたスペースが必要なのだと再確認させられた。

思えば新卒のとき1Kの家に住んでたけど、ごはんを食べる部屋で寝る、勉強をする部屋で寝る、というのがなかなか難しくて、過度に覚醒したまま眠れなくて睡眠薬に頼るようになったり、家なのに全くリラックスできなくてしんどかった記憶がある。

なんというか、単に集中力がないっていうのもそうなんだけど、一息つく場所と集中すべき場所が一緒になっているとすごく混乱してしまうほうなのだ。

なので、できれば築年数や内装が古くてもちょっと広い場所に住んで、寝る場所、ごはんを食べる場所、勉強する場所、というのをきっちりわけたかった。

不動産屋さんにそのことを伝えたら、「同じ理由で部屋を探してる方最近増えてますよ~」とのことだった。出社の必要がなくなったから郊外の安いエリアに住んで、そのぶん広い部屋を借りてテレワークに備えているらしい。結局コロナもいつまでこの状態なのかわからないが、しばらくおさまりそうにないし、もしかしたらこれが新しい働き方として浸透するかもしれないし、復職しようが転職しようがテレワークの備えをして損はないと思ったので間取りにはこだわった。

<絶対じゃないけど気になった条件>

①建物種別(マンションかアパートか)

できたらマンションがいいなと思って探していた。

上にも書いたけど、きょうだいと住んでいた家は軽量鉄骨のアパートで、内装はきれいだったけど大通りを車が通るたびに地震みたいに家が揺れて地味にストレスだった。あと、冷暖房のない寝室が夏はありえないくらい暑く冬はありえないくらい寒くて暑さ対策や寒さ対策が大変だった。物件の立地などによっても変わってくるらしい。不動産屋さんいわく、木造と軽量鉄骨の防音や温度の移り変わりは大体同じくらいとのこと。

 ②料理をさせる気がありそうなキッチンかどうか

新卒の頃住んでた家は、料理しないこと前提の単身用キッチン(まな板を置く場所がない、一口コンロ)でしんどかったので、二口コンロでまな板を置けるスペースがあるキッチンだと嬉しいなあと思った。

 <物件探しそんなに重視しなくてもいいかなと思った条件>

①駅近

最初に駅から徒歩30秒の家に住んでから、近すぎるのも考え物だなと思った。便利だけど。個人的に駅から徒歩15分以内くらいだったらそれでいい。私の場合あまり運動をしないので、徒歩で歩く時間はそこそこあってもいいなと思った。

 ②ユニットバス

気にする人は気にするのかもだけど、個人的には一人暮らしならそんなに気にならない。

 ③独立洗面台

あれば便利だけど、絶対じゃない。

 ④追い炊き

これもあれば便利だけど、一人暮らしならそんなに必要ないかなと思う。

 ⑤築年数

築年数40年とかでもリフォームに力を入れている物件もあるから新しければいいというわけでもない。むしろ狙い目なことも多い。不動産屋さんいわく、築年数が古くて水回り(特にお風呂)をリフォームしているところはお買い得らしい。洗面台を変えることはそこそこあるけど、お風呂のリフォームはすごくお金がかかるので、新しいお風呂の物件に住めるのはそうとうラッキーらしい。

ただ、アパートを選ぶときは築年数浅めで探した方がいいかもしれない。

上に書いた、「アパートだと家の揺れや防音、寒暖差が気になる」というのも、築年浅めの物件だとそこまで気にならない、という話を聞いた。

<色々見て、引っ越しも経験して思ったこと>

 新卒の頃の引っ越しではわかりやすく便利そうな条件に飛びついていたけど、マンションとアパートの違いとか、日当たりや周辺環境がその後の生活にどう影響してくるかとか、もう少し知れてたらよかったなと思う。でも今回は不動産屋さんにたくさん質問して色々知れて楽しかった(お風呂はあまりリフォームされないって話とか)。

特に今回の引っ越しは三つくらいのエリアを見て回ったこともあって、自分にとって周辺環境、というかどの街に住むかがめちゃくちゃ重要なんだな、と気づくことができた。開発が進んで区画整理された街より、下町っぽくて、でもうるさすぎない街が一番自分が暮らしているイメージがある。もちろん住む場所ってときには自分で決められないし、どんな場所も住めば都なんだとは思う。けれど、私は自分がありとあらゆる感覚過敏を持っていて、不安になりやすい面倒くさい体質だって自覚があるから、これからも快適に生活するためにできることを惜しまないでいたいと思う。そして、これからも気づいたことがあったらアプデしていきたい。