仏映画、グラン・ブルーに出てくるジャックがASDに見える件について
こんにちは。
もう、何十日ぶりかわからない、とっても久しぶりの更新になります。
が、今日書くことは私がずっとずっとブログで書きたかったことの一つです。
フランス映画、グラン・ブルー(別名:ビッグ・ブルー)に出てくるダイバーがASDに見えるという話。
(※グラン・ブルーファンでこの内容が無理っぽいなと感じた方、バックお願いします。)
グラン・ブルーを知らない人向けに簡単に解説します。
グラン・ブルーとは?
「LÉON」で有名なリュック・ベッソン監督の映画作品。
子供のころ海で出会ったお互い潜るのが得意なジャックとエンゾが、
大人になって再会してフリーダイビングの大会で競い合うお話です。
また、ジョアンナという女性も登場し、彼女とジャックの恋愛模様も描かれています。
※以下、ネタバレ含みます。
おとなしいジャックと勝気なエンゾ、性格は正反対だけど、
何より海とダイビングを愛する友人同士でよきライバル。
ここまでは海がきれいなフツーの映画っぽいですよね。
でも、この二人は海がただ単に好きなだけではないんですよ。
海に完全に「魅せられて」しまっているんです。
自分が潜水の記録を更新できなくなると、
もういっそ海で死にたいと思うくらいに。
ここまで読んでいただければ想像つくと思いますが、
二人とも劇中に海で死ぬんですよ。自ら。
先にエンゾが亡くなって、唯一海についてわかりあえる友人を失ってしまうジャック。
実はジャック、父親も海で亡くしています。
もともと社会になじめるタイプではなく、常に海のみが自分の居場所と感じていた彼。なんと恋人であるジョアンナが妊娠したことを知ってもなお、海底に沈んでいこうとするんです。
しかも、その自殺の手伝いを、なんと彼女にやらせるという。笑
超残酷。。。。
「Go, go and see my love」 (行きなさい、私の愛する人よ)
というセリフでジャックを送り出すジョアンヌ。
最終的にこの映画は、彼が海に沈んでバッド・エンドで終わります。
でもね、わかるんですよ、
私はすごく共感できたんです。
ジョアンナではなく、ジャックの方に。
人間社会に居場所はなく、異世界こそが自分の居場所。
発達障害をお持ちの方なら、なんとなくこんな想像をされる方もいるのではないでしょうか。(これはなんとなく覚えている誰かのツイートなんですが、)
あまりに周囲の人と異なる自分。もし自分が宇宙人で、いつか母星の人たちが
自分を迎えに来てくれるのなら、何を捨ててもきっとそちら側へ行くだろうな、と。
こちら側の生きづらさにさんざん傷ついた。だから「そちら側」へ還る...
その「異世界」にあたる部分がジャックにとっては海だったわけですね。
このラストについては賛否両論
もちろんこんなラストなので映画を見た人たちの意見は賛否両論です。
その中でも、グラン・ブルーの感想を書いてるブログなんかには、
以下のような意見が目立ちました。
「男のロマンを描いた映画」
「男のロマンを捨てきれないジャックをやさしく包むジョアンヌ」
「夢を捨てきれない男に対し、女がやさしく男ってバカねと叱ってくれる映画」
男のロマンというワードが非常に多かったです。
ですが、個人的には
どうもジャックが人間世界よりイルカ世界になじめるタイプのASDで、
早く自分のいるべき場所に帰りたいと叫んでいるようにしか見えませんでした。
その他、ジャックのASDっぽいところ
発達持ちの方がこの映画を見たらきっとわかってもらえると思うんですけど、
その他にも随所にジャックのASDっぽいエピソードがちりばめられています。
ジョアンナとデートするときもイルカのいる巨大プール、とか海にばかり行くし、
話題も海のことばかりだしこだわりが強すぎます。笑
また、相手が妊娠しているのにも関わらず、「海に還りたい」という
欲望を優先させる「他者視点のなさ」もちょっとそれっぽいなと思います。
(さすがにここまでするASD当事者はいないとは思いますが...)
人見知りで口下手、数人にしか心を開かないところもちょっぴり自閉っぽいような。。。
自分がASDだからそう捉えているだけなのかもしれませんが。
まあ、発達にしろ、発達じゃないにしろ、
今自分が生きている世界が自分にとって最適の世界ではないと感じている、
地に足ついて生きてないような「浮遊感」を持っている方は、ジャックに共感しやすいかもしれませんね。